稽古の流れは、
①準備運動:15分
②形稽古 :60分
③乱取稽古:20分
④整理運動:10分
を基本とし、状況に応じて調整します。
途中、5分休憩を数回挟みます。
上記にかかわらず、小中学生においては、原則一時間以内で終了するように稽古を組みます。
スポーツ合気道では乱取りの攻撃手段としてパンチやキックといった打撃技は使いません。打撃技のほか、絞め技や寝技もありません。
乱取基本の形17本における当身技は、投げ技の一環であり、衝撃のみに頼って相手を倒すものでありません。それが故の難しさがあります。また、相手を殺傷することを手段又は目的としておらず、一撃必殺のような概念も置いていません。
稽古目的に応じた稽古の取組み方次第となりますが、いずれにしても程度の差こそあれ力は必要です。
力の考え方にもよりますが、正しい力の使い方や効率的な力の使い方を学んだとしても、最終的に力そのものが不要になるものではありません。
形の稽古を主体的に取り組むのであれば、約束通り動くことから咄嗟(とっさ)の対応をすることもないため、それほど体を酷使することはありません。自分自身を支えることが中心になります(これだけでも立派です)。
一方で、乱取りにおいては、いろいろな意味で、自分自身だけでなく相手をも支える必要があります。技は毎回綺麗にかかるものではなく、技がかからなければその分自分の身体に負荷がかかりますし、不意に相手に投げられることもあります。これらの負担から生じるケガのリスクを減らすため、攻撃への対応力を身につけるため、素早く相手を投げ抑えるため、体力はあった方が望ましいです。この点は、護身を考える上でも同様です。
各自の稽古の目的によって乱取稽古にどれほど重きを置くかが変わり、そして体力を向上させる必要があるか否かが変わってきます。
スポーツ合気道は形と乱取りを併修することに特徴があります。乱取稽古は、人を独善に陥らせないために重要であるだけでなく技術力・威力向上のために非常に有益ですが、形稽古が優先になります。
競技の特性上、乱取りで使用できる動きは合気道の形全体のうちの一部です。
特に30代以降は形稽古を主に取り組んでいくのが一般的でしょう。ただ、スポーツ合気道は移動力を重視していますので、形稽古とはいえ運足(足の運び)を丁寧に行うのなら、相応の体力を培えます。
永続的な稽古とは、端的にいえば、「無理のない稽古」ということです。強度、技術、量的な面で無理がなく、かつ、質の良い稽古を目指します。