師と弟子とはともに真理を愛し真理を求め真理の前に謙虚でなければならない。
道は先行者の業績に発し後続者の業績によって達せられる。
師の業績を母胎とし足台としてこれを超克して進む。これが即ち創造である。
弟子によって継承され否定されそしてより高いものに総合される。これが即ち発展である。
ここに子弟の敬と愛が生れる。師を敬い弟子を愛することは真理を敬い真理を愛することに他ならない。
1970年早大での最終講義(富木謙治『武道論』志々田文明編, 大修館書店. )
コメント
指導者は絶対的な存在ではなく、研鑽を続けています。指導を受ける者も、子弟の敬と愛の関係を保ちながらも受け身になりすぎず自ら研鑽を行っていく姿勢が求められます。
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